生物学が大好きなみたにの激推し生物学者である福岡ハカセの書籍について紹介します。
今回はこちら!
『やわらかな生命』福岡伸一(著)
いろいろな生物の驚くべき生態について学びながら、私たちにとって生きるとは何かについて考えるきっかけとなれるような一冊です。
著者はエッセイ調の易しい語り掛けで生命科学の視点から「生命とは何か」という根源的な問いかけをしていきます。
この本は、科学の知識がない読者にもわかりやすく、自分の人生において新たな視点を提示してくれるでしょう。
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もくじ
こんな人におすすめ
科学的な知識だけでなく、哲学的に物事を考えることが好きな人に向いています。
生命という大きなテーマと通して自分の人生や日常において新しい視点を得られる内容です。
専門的な内容を平易な言葉で表現しており、また、ショートエッセイのような展開になっているので、科学書初心者でも楽しみながら学びを得られる内容となっています。
こんな人におすすめ
-
- 自分の視点を変えたい、固定概念にとらわれたくない人
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- 易しいレベルで生物学を学びたい人
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- 哲学的な視点で生物について考えてみたい人
この本を読むことで、生命の奥深さに出会うことができるでしょう。
この本の要約
カタツムリからナメクジへの進化、ウーパールーパーが愛らしい理由、空気によってつくられた私たち…。
さまざまな生き物のユニークな生態や仕組みを通して、
生命は柔軟で日々変化し続けるものということを大きなテーマとして、日常生活や自分自身、世の中の変化を受け入れていこうという生き方を提示しています。
一見関係のないように見える「生命」と「機械」はともに精巧な部品とはたらきによって成り立っているけれど、
「生命」と「機械」との間にある違いは何なのであろうかという問いから始まり、著者は物理的にも機能的にもその”柔軟さ”なのではないかと説いています。
さまざまな種の驚くべき姿を紐解いていくと、生命の「やわらかさ」の正体を目の当たりにすることができます。
この本の感想
科学と哲学のつながり
全体と通して、福岡先生らしい工夫された言葉選びや詩的な表現のおかげで、この分野に疎い方でもまるで物語を読むようにスラスラと読めてしまう一冊だと思いました。
エッセイ調で生き物の生態について解説している短編集のような形で構成されており、日常の事例や比喩を用いて解説で理解を助ける工夫があり、気楽に読めるところが嬉しいです。
科学者、研究者というと頭の堅い物静かなイメージがありますが、著者の友達の多くない虫好き少年だった子ども時代やアメリカへ留学していた学生時代のエピソードや趣味などの素顔を垣間見れることで著者を身近に感じられます。
生命という大きなテーマについて書かれた本書ですが、絵画、舞台、海外文化などの芸術分野のトピックと繋がる部分も多くあり、
顕微鏡をつくったレーウェンフックと牛乳を注ぐ女を描いたフェルメールも福岡先生の手にかかるとまさかの結び目で繋がっていくのです。
本書の表紙に書かれているとおり、芸術と科学のつながりを感じられまさに頭の中での壮大な旅行を楽しめるでしょう。
表紙にある不思議な形をした生き物の写真の謎が解けるのを楽しみながら読んでみてください。
変化する存在であることの救い
私がこの本を通して感じたことは、昨日と今日の自分が同じではないことは当たり前だからもっと気楽に生きてもいいのかもということです。
好きな言葉は?聞かれぱっと思いつくものはいくつかありますが、特に好きなこの言葉を思い出します。
『眠りにつくと私は毎晩死ぬ。そして翌朝、目が覚めると私は生まれ変わる』
マハトマ・ガンジー
落ち込む日や苦しい日があったとしても、眠りにつく前に「寝てしまえば、明日の朝起きたら私は違う自分になれるんだ。」
ネガティブな時期はそう思うことで乗り越えてきました。
細胞は常に自らを壊し新しくつくりかえていて、そういった視点で見ると今日の自分と明日の自分がまったく同じ生き物ではないことは当然なのです。
もし昨日決心したことが今日達成できなくてもいい。
昨日好きだったことが今日好きになれなくてもいい。
もし今日がどんなにつらくても明日は気持ちが軽くなっているかもしれないし、
今日どうしてもできなかったとしても明日大きな一歩踏み出せているかもしれない。
楽観と悲観とニュートラルをいったりきたりする日々だけれど、
普段は忘れがちな、自分も地球の一部であり、莫大な数の生命のひとつであり、長い長い歴史の一瞬である事実、
天気だって同じで毎日同じなわけはないように私も毎日変化して当たり前なのだと思うと、
楽に生きられるような気がします。
結果にしがみつくよりも道のりを楽しむ
さらに驚くことに細胞が入れ替わることで記憶しているつもりである内容も実はおぼろげで曖昧だということ。
私たちが日記を書き続ける理由はその日の自分を書き留める、繋ぎ止めておくことだという部分も印象に残りました。
そういう意味では、自己啓発や自己理解の分野でよく目にする「自分とは何者なのか?」という問いも極論は意味を成さないものであって、日々自分という生き物は変わっているのだから自分の像がうまくつかめなくても当然。
このように、結果やゴールよりもその道の過程を大事にしようという考え方を提示されていました。
息苦しいこの世の中で堅苦しく考えてしまう私のような人には、心を軽くしてくれるおまじないになってくれるかもしれません。
変わり続けることで変わらずにいられる
変化し続けることにおいてのメリットはまだあります。
よくテレビで見るような同窓会のシーンでの「あの人だれ…?」となるように、
日々の行動、習慣で5年後、10年後の自分の姿は全く違ってきます。
時間とともに老いていくことは避けられない事実なので、
常にそれに逆らって運動をしたり新しい情報をインプットしたり、やったことのないことに挑戦したりと、見た目も中身も若々しい人は常に変化しようとしている気がします。
私たちの細胞や組織は常に能動的に壊され、新しくつくりかえられており、もしそれをやめると壊れていき老いていくのを受け入れる他ありません。
現状維持は悪いことではないですが、人生を通して常に意識的に変わり続けることで「あの人変わらないね」と言われるようになれるのではと思いました。
矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、変わり続けた人だけが変わらずにいられるのだと感じました。
この本を読んだ人のレビュー
この本を読んだ人のレビューを見てみましょう。
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まとめ
本書の鍵となる「動的平衡」とは、生命は常に変化し続ける存在であり、絶えず環境と相互作用しながら自己を保っている状態を指しています。
環境の変化に対して細胞や分子がどのように反応し、どのようにバランスを取りながら生命を維持しているかユニークな具体例を挙げて説明されていますが、
この「やわらかさ」は、私たちの人生や考え方にも応用できる重要な概念として提示されています。
生命の本質を知り、私たちがどのように生きているかを改めて考えるきっかけを与えてくれる一冊です。
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